カヌー

大自然そのものである「川の上」を漕ぎ出すカヌーは、普段見ることができない景色や水の上の独特の浮遊感など、非日常的な刺激が楽しめるレジャースポーツです。でも、カヌーというと、「ひっくり返りそう」というイメージから、「難しい、危険」なスポーツだと考えている人も少なくないのではないでしょうか。 確かに、実際に激流を下ったり、スラローム競技を行ったりするような場合には危険が伴いますが、基本的には十分な装備や準備をすれば水の事故の危険性はとても低いスポーツ。しかも、戸狩で体験できるカヌーは、千曲川下流にあたる飯山市内のゆるやかな川の流れに身を任せて進むもので、とてもゆっくり、のんびりとしたものなのです。力を入れて漕ぐ必要がないため、体力や腕力がない女性や子どもでも充分に進みますし、カヌーの上で釣りや読書を楽しんだり、と、まるで「水上の動くリビング」のような錯覚に陥るほど。もちろんガイド付きなので安心で安全です。「カヌーに挑戦する」と意気込んで臨むのではなく、飯山の自然や景色を楽しむツールのひとつとして、気軽な気持ちで楽しんでみてはいかがでしょう。いつもと違う千曲川からの風景が、新たな飯山の魅力の発見へとつながります。

戸狩エリアのみならず、飯山市でカヌーと言えば、ここ「パワードライブR117」。カヌーやカヤックツアー、スクールを開催する（社）日本カヌー連盟公認カヌースクールで、公認インストラクターが丁寧にレッスンやガイドを行ってくれるので、安全性が高く楽しいカヌーイングを堪能できます。カヌー体験は、千曲川でのリバーツーリングのほかに、四季折々の風景が楽しめる北竜湖での体験コースも実施。1人乗りのカヌーから、家族で楽しめる3人乗りのカヌーまで取り揃えているので、小さなお子様でも気軽に体験できます。また、コースは、北竜湖を使った初心者や家族向けレッスンを行うベーシックコース、千曲川の11kmの区間を約2時間30分かけてのんびり下るコース、北竜湖でのレッスンを経て翌日に実際にリバーツーリングを行う1泊2日コースなど、さまざまに用意されているので、滞在時間や気分、体力に合わせて選ぶことができます。

特におすすめは、やはり千曲川下りのコース。水辺に住むたくさんの動植物や川沿いの田畑の様子、人々の暮らしを眺めることができ、川の中洲など、普段では決して足を踏み入れることができない非日常の空間にも立ち寄ることができます。実際に参加者からは「最初は不安だったけど、やってみて良かった」との声が多く聞かれ、この参加がきっかけとなって、シニア世代を中心に、自分だけの「マイカヌー」を購入する人も少なくないのだとか。さらにツアー後には、川沿いに佇む湯滝温泉に浸かって、のんびりと疲れを取ることも。日々の雑事のわずらわしさから逃れ、 水上で過ごす休日もたまにはいかがでしょう。

カヌー・カヤックのレッスンやツアーのほかに、「パワードライブR117」が行っている水辺のイベントのひとつが「千曲川リバークリーン大作戦」。川に親しむ人々が徐々に増えてきた一方で、未だに川に生活ごみや産業廃棄物が捨てられ大量のごみが流れ着く現状を憂慮し、千曲川で川下り体験を楽しむ人などを中心に、S・T・R（Save The River）という集団を結成、ラフティングボートを活用して川下りを楽しみながら河川の清掃を行うというエコイベントです。普通の河川清掃ではたどり着けない中洲や急斜面下の川岸でごみ拾いを継続的に行うことで、地域の人々にふるさとの貴重な宝である千曲川の現状を知ってもらい、川を大切にする気持ちや環境への関心を高めるとともに、正しい川の知識や安全な川での遊び方を知ってもらうのが目的。毎年、子どもから中高年まで幅広い年代層の人が参加し、ラフティングボートによるゴミ拾いを実践しています。

人それぞれが自分のスタイルで楽しめるカヌーですが、遊びのフィールドそのものは美しい自然であるということを忘れず、常に自然に対しておごることなく、楽しみながら千曲川の清掃を行って行くのも、カヌースポーツを楽しむワンステップとなるのです。