戸狩で農業を体験
アスパラ、ジャガイモ、キュウリにトマト……。
冬場は雪に覆われる戸狩でも、グリーンシーズンになるとさまざまな野菜を収穫できます。
戸狩の澄んだ空気を吸いながら、土に触れていると心も体もリフレッシュできますよ。
戸狩の人々にとって農業は暮らしの一部。戸狩温泉の宿泊施設の経営者の多くは春から秋に農業を営む兼業農家です。自家製の野菜を使った料理で宿泊客をもてなしてくれるだけでなく、農業体験も行っています。戸狩では全国に先駆けてグリーンツーリズムに着目し、27年前からさまざまな農村体験を提供することで好評を得てきました。取れたての野菜はみずみずしく、その味わいは格別。収穫体験では野菜の手触りや香り、味などを直接感じることができ、子どもから大人まで楽しめます。農業体験は戸狩の自然の恵みを堪能できるだけでなく、地元の人々との交流や地域の暮らしに触れられる貴重なアクティビティです。
自然が豊かな戸狩では、春から秋にかけてさまざまな野菜が収穫できます。中でも、戸狩はアスパラガスの栽培が盛んで、春になるとみずみずしくてミネラル豊富なアスパラガスが収穫できます。専用のハサミを使って次々とアスパラガスの茎を切り取る作業は小気味良く、時間を忘れて夢中になって楽しめます。アスパラガスは鮮度が落ちやすい野菜と言われていて、取れたてを味わえるのは収穫体験ならではです。
初夏にはイチゴ狩りも体験できます。赤く熟したイチゴを摘んで、その場で食べれば甘味がたっぷり口の中に広がります。また、旅行のお土産にジャム作り体験もできます。夏には、トマト、キュウリ、ナス、インゲン、ズッキーニ、ピーマンなど、色とりどりの野菜が収穫できます。完熟したトマトは甘くてジューシーで、取れたてのトマトを使ったピザ作りを体験できる宿もあります。雪が降る前には大根の収穫。昼夜の寒暖差で糖分を蓄えた、甘くておいしい大根が収穫されます。野菜以外ではお米作りの体験もあり、春の田植え、秋の収穫を昔ながらの方法でそれぞれ体験できます。
戸狩を観光で訪れた人は「野菜がおいしい!」と口を揃えて言います。旅行という非日常の中で味わう料理は特別なものに感じられますが、戸狩の野菜のおいしさにはちゃんとした理由があるのです。それは、長い日照時間と昼夜の大きな寒暖差、山から運ばれる雪解け水、そして澄み切った空気などです。こうした気候と環境の中で育つ野菜は味が濃く、甘みが強く感じられます。甘みについては戸狩の高い標高が影響しています。植物は昼間の光合成によってデンプンが作り出されて、夜間になるとそれが糖に変わります。標高の高い地域では夜間の気温が大きく下がるので、野菜の呼吸が抑えられることによって糖が蓄積されるのです。
戸狩は野菜だけでなく、お米もおいしいと評判です。戸狩は最高級の産地ブランド米として知られる新潟県の魚沼地域に地理的に近く、ともに豪雪地帯で良質の水に恵まれていることなど、気候・風土にも共通点があります。戸狩産のコシヒカリも魚沼産に引けを取らないおいしさで、「隠れ魚沼」と言われるほど全国的にも評価の高いお米なのです。信州のみそ汁や漬物と一緒にいただく炊きたてご飯をぜひ味わってください。
戸狩では14の民宿が共同で1泊2日から2週間までの宿泊プランを用意しており、1泊プラン以外では農業体験をすることができます。収獲体験ができる時期は宿泊施設によっても異なりますが、暖かくなる5月から雪が降る11月頃まで実施しています。体験の所要時間も種類や内容によってさまざまですが、目安として「野菜の収穫体験」は約30分、「田植え・稲刈り体験」は約1時間、「山菜採り・きのこ狩り体験」は約2時間、「収穫+手作り体験」は約3時間ほどです。収穫体験の問い合わせや予約は各宿泊施設で受け付けています。
収穫したての野菜の味は格別で、都会では味わえない感動があります。
訪れる時期や自分の興味に合った農業体験を探して参加してみましょう。